初任給?生涯年収?新卒就活生が知るべき給料のこと

就活生のみなさんは、どのような基準で就職先を選んでいるでしょうか。待遇面、特に給料などを重視する人もいると思います。収入は大切な要素です。

でも、初任給にばかり意識を向けていては、将来、こんなはずではなかった…などと思ってしまうことも。

そこで、新卒就活生が知っておくべき給料について説明します。

給料って、なに?

給料って、なに?

就活を乗り越え、働き始めてからの楽しみは、なんと言っても初任給でしょう。企業には支払い日とは別に、締め日というものがあります。いつまでに発生した金額を、いつ支払うのかは、それぞれの企業で設定が異なります。

得意先への支払いと同様に、給料の振り込み額なども締め日が関係してくるので、初月の4月は日割りで支払われるケースが多く、満額を支給されるのは5月になるでしょう。

この初任給を周りと比較して、誰が自分より多くもらうんだろう、なんて考えたりする人もいるでしょう。友だちの初任給の額が多くて、「あいつの将来は安泰だ」と感じたりすることもあるかもしれません。

でも、長い人生において自分の収入がどれくらいかを想像するときに、初任給の額だけで考えてしまうと、正しくイメージすることができません。後になって、「こんなはずではなかったのに…」という誤算が生まれてしまうこともあります。そのような間違いをしないために、給料の中身を理解しておくことが大切です。

給与とは、「基本給」と「手当」という2つの構成で成り立っています。言い換えると、「初任給(給料)=基本給+手当」ということです。

そして、昇給の基礎となるのは、基本給です。そのため、友だちより自分のほうが初任給の金額が高かったとしても、これから先まで友だちより高い給料であるとは言えません。

例えば、同じ初任給の額で、昇給率も同じ割合の会社が2つあるとします。しかし、基本給の額が違い、結果的に各種手当の額で支給額が等しくなっていたとしたら、基本給の高い会社のほうが将来的には給料が高くなります。

このように、給料についてきちんとした将来予測をするには、受け取る給料の内訳を正しく理解しておくことが必要です。

平均年収と企業規模との関係

平均年収と企業規模との関係

ところで、厚生労働省の調査をみると、初任給については、大企業・中企業・小企業ともに、そう大きな差はみられません。(※1)

ただし、時間が経過するにつれて、次第にその違いが生じてきます。同じく厚生労働省によると、大企業・中企業・小企業それぞれの社員の平均年齢と平均勤続年数、そして年間平均給与に関して、次のような結果がでています。

平均年齢は企業規模が大きくなるにつれて若くなり、平均勤続年数は企業規模が大きいほど長く、そして平均年間給与は企業規模が大きくなるほど高くなっています。(※2)

このことからは、「企業を退職すると規模の小さな職場に流れ、年収も下がってしまう」ということが考えられます。これはつまり、やみくもに退職をせず、1つの職場で頑張り続けることが、将来的な安定につながると言えるのかもしれません。

(※1)
厚生労働省「平成24年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:2企業規模別にみた初任給」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/12/02.html

(※2)
厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2017/index.html
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2017/dl/04.pdf

手当って、なに?


給料とは、基本給と手当を合わせたものであると説明しました。
では、この「手当」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。代表的なものから見ていきましょう。

【時間外手当】

「残業手当」という言い方のほうが一般的に馴染みがあるかもしれません。労働基準法では、会社は社員に、1日に8時間、1週間に40時間を超えて、働かせてはいけないことになっています。

そして、もしそれを超えて働かせる場合は、基本給の1.25倍の賃金を支払わなければならないと定められています。厳密に言えば、所定労働時間が7時間であった場合は、8時間以内であっても1.25倍の賃金の支払いをする必要があります。

さらに、1ケ月の時間外勤務が60時間を超えた場合は、基本給の1.50倍の賃金を支払わなければいけなくなります。

【資格手当】

仕事をする上で、資格を持っていることが有利になったり、また資格がないとできない仕事というものもあります。そして、資格を持っていることに対して支払われるものが資格手当です。

対象となる資格はさまざまで、職種によって求められる資格は異なります。そして、ただ資格を持っているというだけでは当然のように支給されるわけではありません。

会社が必要であり有用であると認めるときに対象となることが前提です。支給額も資格の内容や難易度によってさまざまで、数百円から数万円までといろいろです。

【扶養手当】

就活の後に仕事をはじめ、結婚をする人も出てくるでしょう。家族手当とも呼ばれる扶養手当は、配偶者や子どもがいる社員に対して支払われるものです。

公務員においては義務的なものですが、民間においても家族を持つ社員に安心感を与えるためにも支給している企業は多いです。

しかし、一部からは、女性の社会進出を阻んでいるとの指摘もあり、見直しを図る機運も生まれています。

【役職手当】

企業には、組織を効率よく運営するためにさまざまな役職があります。高い位置の役職ほど、組織における責任は重く、部下の管理・監督から他部署との調整などの重責を担います。

役職手当は、そのような重要な役割にたいする対価として保障されたものと言えます。

民間企業での支給額は、役職によって異なりますが、月あたり1万円から10万円くらいです。厚生労働省が任意に抽出した大企業を対象としておこなった調査では、部長級6万3千円、次長級4万3千7百円、課長級4万3千円、課長代理/補佐級3万3千5百円、係長級1万8千5百円という結果が出ています。(※3)

【通勤手当】

通勤のために必要な交通費の支給を、通勤手当と言います。手当としての意味はとてもシンプルなものですが、他の手当てと大きく違う部分があります。

それは、残業手当や扶養手当といったその他多くの手当てが課税対象の所得となるものである一方で、通勤手当は非課税であるという点です。それは、福利厚生としての役割というよりも、必要経費的側面が重視されていることによります。

少し難しい話しかもしれませんが、覚えておくと将来役に立つ場面が出てくると思います。

【住宅手当】

住宅に関する費用は、地域事情によって大きく異なります。また、住宅は、社員が暮らすうえで最も重要な生活インフラでもあります。その住宅費の一部を会社で賄うものが住宅手当です。

厚生労働省の調査によると、一般的な民間企業の住宅手当の平均支給額は、月あたり1万7千円という結果でした。(※4)ただし、大企業における都市部生活者への住宅手当として、10万円を超える支給がなされているケースもあります。

【皆勤手当】

勤務を休むことなく務めたことにたいして支給されるものが、皆勤手当です。「社会人なんだから当たり前でしょう」。そう思う人もいるかもしれません。

しかし、人件費抑制のためにギリギリの人員でシフトを構成していたり、他に代理のきかない職種を任されていたりする職場では、多少の事情を押してでも休むことなく仕事をしなければならない人もいます。

そういった人のモチベーションを維持したり、労をねぎらう意味でも皆勤手当ては大切なものであると言えます。

有給休暇の取得で皆勤手当を減額されたという争いも一部で生じています。しかし、有給休暇は権利であり、その取得によって勤務日数が減ることで、会社は社員に不利益を与えるべきではないという考え方が定着しつつあります。

【営業手当】

まだ社会に出ていない人にとっての仕事のイメージと言えば、「営業」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

一日に何件もの顧客を訪問すると、さまざまなコストがかかります。例えば、顧客に訪問時間を変更され待ち時間ができてしまい、その間お店で時間を待てばお金もかかります。

また、歩き回り靴が擦り減るということもコストかもしれません。営業職に特有な負担を軽減するために導入されているのが、この営業手当です。ただし、これまで説明してきた手当と比べて、導入している企業の割合は少ない手当でもあり、中小企業では支給されていない会社もみられます。

(※3)
厚生労働省「平成28年賃金事情等総合調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/churoi/chousei/chingin/16/dl/index3-03.pdf

(※4)
厚生労働省「平成27年就労条件総合調査結果の概況(平成29年2月改訂)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/15/dl/gaiyou03.pdf

生涯年収って、なに?

生涯年収って、なに?

ここまでは、月々の給料について見てきました。給料が、基本給と手当が合わさったものであることは、よく理解してもらえたと思います。
次に、生涯年収について説明します。

月々にいくらもらえるか、ということを気にする人は多いですが、長い人生を考えた場合、「一生のうちにいくらもらえるのか」という生涯年収についても意識を向けておくことも必要でしょう。就活生にとっては、遠い先のことのように思えるかもしれません。

しかし、長いようで短いものであるのも人生。目の前のことだけではなく、常に先を見て歩んでいくことは、仕事をするうえでも、そして生活していくうえでも、とても大切なことです。

【「収入」と「所得」の違いを知る】

生涯年収とは、その人が一生のうちに得られる収入全体のことを言います。その時に、退職金を入れる考え方と、退職金は除く考え方と2通りありますが、まずは退職金のことは頭にいれずに生涯年収をイメージすることをおすすめします。

このあと説明する年金の制度とも関連するのですが、「収入」と「所得」とには違いがあることから、生涯年収には退職金を含めずに考える必要があるのです。

「収入」とは、その人がまず手にするお金のことを言います。生活をする上では、いろいろと支出が必要となります。家賃であったり、食費であったり、子どもの学費であったりと、その内容はそれぞれによって違うでしょう。

ある人は高級な車を買うかもしれませんし、ある人は豪華な食事にお金をかけるかもしれません。あるいは、子どもの塾や学費に多くを充てる教育熱心な人もいます。「収入」から、生活をするにあたって必要な支出をした後に残るお金が、「所得」です。

ですから、収入が多くても所得が低い、ということもあり得るのです。

ところで、生活をとりまくお金には、年金などの社会保障もあります。これは、誰もが安心して暮らしていくためのセーフティーネットです。

退職金は公的な制度ではありません。しかし個人の暮らしを外から守るためのシステムの1つと考えると、それは収入に含めないで考えることが適当です。

【昇給率を知る】

生涯年収を考えるにあたって、昇給率はとても大きく影響します。昇給のベースが「給料」ではなく「基本給」であることはもう理解していると思います。昇給率が生涯年収の決め手といっていいほど、この割合は重要です。

ここで、定期昇給とベースアップの違いも知っておきましょう。定期昇給は、基本給にたいして社員一律の割合で上がっていくことを指します。基本給が高ければ、昇給額も大きくなります。

一方、「ベア」とも言われるベースアップは、全員同じ金額が上がることになります。基本給が高くても低くても、3000円であれば等しくプラス3000円となるのです。

【年齢別平均額と中央値を知る】

希望する会社での生涯収入をイメージするために、世代ごとの平均年収を知ることも、手掛かりとしては有効です。しかし、ここにも、気を付けてほしいことがあります。

それは、平均年収を調べると同時に、「中央値」という考え方も持っておくことです。なぜ、平均値だけでは、その企業の昇給体系を正確には理解できないのでしょうか。

例えば、実力主義を徹底している会社に、同じ年齢層の5人の社員がいたとします。収入はそれぞれ、100万円、200万円、300万円、400万円、そして1億円です。すると、平均額は2100万円になります。中央値とは、全体を一列に並べて、その真ん中を取るというものですが、それに従うと、この5人の収入の中央値は300万円になります。平均は2100万円で中央値は300万円であるこのケースでは、この会社の収入イメージは300万円であるほうが、より実態に近い数値です。

かつてのような年功序列での企業風土が次第に風化し、実力主義によって社内競争をうながし実績を求める企業も増えてきた現代、収入の予測も細かい視点で臨むことが大切だと知ってください。

表面的な金額だけでなく収入全体を見渡す

初任給ということをスタート地点として、給料や収入にまつわる知識について説明しました。

これから社会に出る就活生にとっては、就職先を考えるうえで、まだ意識していなかったことが多かったかもしれません。しかし、貴重な人生を豊かに歩んでいくためには、とても大切な知識だということも分かってもらえたのではないでしょうか。

昇給率を知り、手当の中身を知り、企業カルチャーを深く理解しなければ、その企業で一生を過ごすことのイメージは抱けません。表面的な数字や説明だけに惑わされずに、しっかりと給料についての理解を深めて、未来につながる就活へとつなげてください。

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